
概 要
報酬は行動に影響を与える、というのがサウスイースタンの考え方です。経営陣の報酬が長期的な企業価値の増大と直接リンクしている、透明性の高いシステムが、すべての利害関係者にとって好ましい形態なのです。多くの業界において、価値を数値化するのは非常に難しい作業となります。幸い、損害保険業界では、一株当たり純資産価値(NAV)というシンプルな数値によって、企業の本質的価値を大まかに表すことが可能です。サウスイースタンは、過去34年間にわたり世界の数多くの損保パートナーと仕事を共にしてきました。その経験を通し、優秀な経営陣は、一株当たりNAVの成長率が彼らの保険引受と投資に関するポリシーの成功度合いを示していることを認識し、その価値の向上に努めている、ということを知っています。彼らは、顧客、従業員、そして株主を最も満足させる方法が、一株当たりNAVを向上させることだということを理解し、投資と保険引受を組み合せることで一株当たりNAVを伸ばしている場合、該当会社の株式は公開市場においても私的取引においても、一株当たりNAVにプレミアムを加えた値で取引されることを知っています。そしてさらには、どんなに強固な顧客関係を構築し、経営陣がいかに素晴らしい高潔さを保ち、社員が献身的に働いていても、該当会社の一株当たりNAVが低下していけば、どんな損害保険会社でも最終的には破綻につながってしまうことも理解しています。
日本の損保会社の経営陣が主に重要視するのは、保険料の伸び、マーケットシェア、そして国内他社と比較した場合の支払能力です。彼らは一般に、一株当たりNAVを無視しており、それは、彼らが投資活動による企業価値の劇的な変化については責任がないと考えているからです。20年前には、日本独自の規制や会計慣習によって、彼らのこのような無知は許容されていました。しかし、日本の金融市場が近代化と規制緩和を経た今、そうした言い訳はもはや通用しません。今日、損保の経営陣が一株当たりNAVを無視するのは、本質的に彼らが自分たちの会社のオーナーであるかのようには考えていないからです。自らが策定した方針がもたらす結果についてこのような無責任な態度を取ってきたことにより、業界全体は長い間、経営に対する説明責任がなされないまま、低いリターンばかりか驚くべき規模の価値破壊を被ってきたのです。※
われわれが提案するプランは、取締役会、経営陣、そして株主のそれぞれの利益を調整するものです。このプランにより、顧客、規制当局、そして社員のそれぞれにとって多大な利益がもたらされるばかりか、投資家と経営陣の関係も改善すると考えます。どんな報酬システムも成功を保証するものではありませんが、われわれの提案を取り入れたプランは日本興亜損保を大きな成功に導くと確信しています。
説 明
部長級以上のすべてのマネージャーに対する報酬体系は、基本的給与と実績ベースのボーナスで構成される。ボーナス額は以下のように決められる。
具体例:仮に日本興亜損保の一株当たりNAVが6%の割合で3年間上昇し、従業員の基本給与が100円だとすると、同社が3年目の期末に支払うべき業績ボーナスは基本給の100%と同額になる。1年目と2年目においては、同社の業績ボーナスは基本給与の50%と同額である。
取締役は基本報酬(ベース・フィー)と業績オプションを受け取る。
保険外交員と部長級より下の従業員には、上記の考え方に基づいた特別ボーナスが支給される。個別ボーナスと会社ボーナスをどのように組み合わせるかについては、組合、人事部、取締役会の報酬委員会の三者が共同で決定することとする。原則的には、すべての従業員が会社の成功に対し直接的な利害関係を持つことになる。
取締役会の報酬委員会は上記の提案すべてについて、適用される税制、会計基準、労働法を順守するように調整する。